親権は譲らない・・・譲りたくない気持ちもよくわかりますが、必ず親権を取れる方法というのはありません。
父親か母親、子供の親権者となれるのは1人です。
これは努力をしたからといって成果につながることではありませんが、親権取得に近づく
ための対策はあります。
離婚調停の主催者、裁判所が親権を決めるときの評価基準は「子供の幸せ」です。
父親と母親のどちらと生活するほうが子供にとって幸せなのか、裁判所はそれを判断基準
とするということを理解して、子供の幸せの観点を意識してください。
例えば子供がまだ幼い場合、一般的には接してきた時間が長い母親のほうが適切に育てられる、
それが子供の幸せにつながるため有利だと判断される1つの要素になります。
最近では妻が働き夫が「主夫」というケースもあるので、その場合は父親が有利だと判断
されることになるでしょう。
平成25年度の司法統計によると、父親が親権者になったのが1割、母親が9割に定まって
いるのが実態のようです。
親権を取得しようと思うのであれば、相手が子供を養育するよりも自分が養育するほうが
子供は幸せになる、ということを自信を持って説明できないと第三者や裁判所の方々には
伝わらないのです。
相手の評価を下げるのではなく、自分が正当に評価されるようにすることです。
重視する点は2つ。
1・自分が育てていくほうが子供が幸せになるということを強く伝えるためには、今後どう
育てていくのか、そして今はどう育てているのかが重要です。
2・経済的な幸せか、精神的な幸せか、どちらも大事ですが相手から養育費をもらえれば経
済面は補えるので、精神的な幸せのほうが重視されるのです。
さらに、調停で裁判所が重視する具体的なポイントがいくつかあります。
・現在、子供との同居の有無
・信頼関係 ・財産や収入 ・居住環境 ・勤務状況等から子供に充てられる時間
・親族からの協力 ・今までの子育ての実績
以上を総合的に見るわけですが、子供はこれから成長して大きくなっていくので高校を
卒業する18歳頃までの長期間で考えるようにしましょう。
DVなどの特例を除けば、子供は父親も母親もどちらも大切で本当は家族で仲良く暮らしたいのが本音です。
どちらと一緒に住みたいか、どちらが好きかなど親を選ばせることは子供の心を傷つける、
お金やプレゼントで釣ることも健全な成長の妨げになる、ということに気づいて下さい。
親権者の義務と責任を認識して、まずは親権者にふさわしい行動をとることを心がけましょう。
間違ってもゴールは親権を取ることではありません。
夫婦が離婚しても子供にとっては父親と母親なのですから、どちらが親権を取得しても子供のことでは協力しあえるかたちが望ましいと考えられます。